『この街と』
(デーリー東北新聞 2019年9月25日掲載)
前回、B-1グランプリに出展するため、地域おこし団体の久慈まめぶ部屋がクラウドファンディングをしていることを書かせていただいた。おかげさまで目標金額を達成し、募集終了となった。ご協力いただいた方には本当に感謝している。
今年のB-1グランプリは11月に兵庫県明石市で開催される。先日、愛Bリーグフォーラムin明石に参加し、明石市長の泉房穂氏の公演を聞いてきた。明石市は神戸市や姫路市といった有名な市に囲まれており、昔は少々影に隠れた存在だったそうだ。
それが2013年から6年連続人口増加、市の税収入も増え続けている。市民アンケートでは「明石市が好き」と答えた人の割合が9割を超えたという。確かにフォーラムの前後日、明石の駅前や飲食店は家族連れやカップルなどでにぎわっていた。
明石市を訪れたのは休日だったので、もちろん観光客もいたかとは思うが、名物「玉子焼(明石焼き)」を提供するお店では関西弁が飛び交っていたので、地元の人も多かったのだろう。市民の豊かさを感じた。
明石市が元気な理由として、Bー1グランプリのおかげでもあると明石市長は言う。子供からお年寄り、障害のある人もない人も一緒にイベントボランティアを行える仕組みを作るなど、あかし玉子焼で町おこし・まちづくりを市民一丸となって取り組んできた結果、2016年12月に行われたB-1グランプリスペシャルin東京・臨海副都心で明石市はゴールドグランプリ(投票1位)に選ばれた。
明石市長自らタコの帽子と明石玉子焼の大きな模型を背負い、ブース前でマイクパフォーマンスを披露する姿が反響を呼んだ。
B-1グランプリは時にB級グルメのイベントと誤解されがちだが、B-1のBはブランドという意味を持ち、「ご当地グルメでまちおこしの祭典!」をうたっている。地元で愛される料理を提供し、まちのPRを行うことが目的だ。お客さんはもちろんグルメを楽しみに来るが、各出展団体のブースやステージパフォーマンスを見てさまざまな地域の魅力に触れることとなる。
さて、フォーラム後、B-1グランプリに出展する愛Bリーグ団体との懇親会は大いに盛り上がった。各地のお酒をいただきながら、それぞれの地域の話やご当地グルメの話、地域おこしの悩みなど話題は尽きない。自分の地域を愛する人たちだが、決して他の地域を否定することなく、比べて優位に立とうとすることもない。お互いに励まし合って切磋琢磨しているのだ。
郷土愛を持つ方たちと、こうした交流ができることを私は素敵だなと感じる。自分の住んでいる地域に自信を持つことは、他の地域を敵だと思うことではないのだ。TVのニュースを見ていると、この空気が世界中に広まればいいなと思う昨今である。国もまちも同じだろうと思うのだ。
11月のB-1グランプリin明石では、明石市のまちづくりを学びつつ、久慈市のPRを頑張り、そして地域を愛することの楽しさを少しでもお客さんに伝えられたらいいなと思う。
(ふじおり・ジュン=北三陸観光大使、久慈市在住)
※掲載許可取得済み 無断転用禁止
東京から岩手県久慈市に移住して「北限の海女」 になった藤織ジュンが主にこの地域の魅力を伝えるブログ\(‘jjj’)/ ☆北三陸(久慈市広域)=久慈市・野田村・普代村・洋野町・田野畑村☆ 都会を離れて田舎暮らし♪
2020年4月13日月曜日
2020年4月10日金曜日
『アイドルと久慈まめぶ部屋』 (デーリー東北新聞 2019年8月21日掲載)
『アイドルと久慈まめぶ部屋』
(デーリー東北新聞 2019年8月21日掲載)
アイドルを応援していた時期が何度かある。私の場合、メディア露出が多い人気者ではなく、ライブアイドルと呼ばれるような、荒削りで売れたい気持ちが強く、なりふり構わ
ない姿のグループを好きになる傾向にある。
そういったアイドルの魅力は、社会の中でもがいている憤りを持った自分と重ねて応援できるところだろうか。ライブで拳を突き上げる時、大声で歌う時、ストレスから解放され、明日を生きる元気をもらえる。「あなたが頑張っているから、私も頑張れる」という同調だ。歌やダンスだけで言えば、一流のパフォーマンスを見る方が感動は大きい。しかしそこに、「応援したい」という気持ちは湧かない。同調できる余地がなく、「頑張れ」というのもおこがましく感じるからだ。
同様に応援していたアイドルに人気が出ると気持ちが冷めてしまうというのはよく聞く話であり、事実私もその一人だ。人気が出ると曲調や歌詞の感じが大衆向けに変わったり、一部から反感を買いそうな思い切ったパフォーマンスがなくなってしまうこともよくある。それにより好きと感じなくなるのもあるが、何より自分は抜け出せていないわだかまりや報われない気持ちを抱えているままであるため、先に認められたアイドルに置いていかれてしまったような空虚感さえ持つ。
もちろんそこまで頑張ってきたアイドルには敬意を持つのだが、シンパシーは感じられなくなるのだ。私はいつもそこでファンを辞めてしまう。そして、テレビに映るかつて応援していたアイドルを見ては「ああ、売れたな。凄いな」などとどこか一線を引いて見ている。
「売れてから応援できないのは本物のファンじゃない」などと言われることもあるが、仕方がない。アンチ活動などは絶対にしないので許してほしいところだ(誰かに許してもらう必要もないが)。
最近はアイドルを追いかけていないのだが、私の応援したい人のスタンスは変わってい
ない。今頑張っていて、まだ大きく認められていなくて、もがいている人。北三陸はそう
いう人の宝庫である。仕事柄、さまざまな人の挑戦を見てきた。
B-1グランプリin明石に出展する久慈まめぶ 部屋も応援したくなる要素が詰まっている団体の一つである。
朝ドラ「あまちゃん」よろしく、派手さの無いまめぶ汁を片手に久慈市を全国に広めようと頑張っているのだ。お肉や揚げ物、ご当地焼きそばがひしめく会場で、くるみと黒糖入りの小麦団子(まめぶ )が入った野菜たっぷりの汁物を提供する。目立たないが個性はある。さらには一途に郷土料理で勝負する心意気も良い。
しかし今、兵庫県明石市までのスタッフの旅費や材料運搬費などが足りない危機に面している。そこでクラウドファンディングを行ない寄付を集めることにした。このクラウドファンディングは私が担当している。これがなかなか厳しい状況だ。是非とも「久慈まめぶ 部屋 CAMPFIRE」を検索してみてほしい。
私はアイドルでは無いが、共感してくれる方がいたらいいなと思う。私も今、もがいて頑張っているから。
(ふじおり・ジュン=北三陸観光大使、久慈市在住)
(著作権使用許可申請許諾取得済み 転用禁止)
(デーリー東北新聞 2019年8月21日掲載)
アイドルを応援していた時期が何度かある。私の場合、メディア露出が多い人気者ではなく、ライブアイドルと呼ばれるような、荒削りで売れたい気持ちが強く、なりふり構わ
ない姿のグループを好きになる傾向にある。
そういったアイドルの魅力は、社会の中でもがいている憤りを持った自分と重ねて応援できるところだろうか。ライブで拳を突き上げる時、大声で歌う時、ストレスから解放され、明日を生きる元気をもらえる。「あなたが頑張っているから、私も頑張れる」という同調だ。歌やダンスだけで言えば、一流のパフォーマンスを見る方が感動は大きい。しかしそこに、「応援したい」という気持ちは湧かない。同調できる余地がなく、「頑張れ」というのもおこがましく感じるからだ。
同様に応援していたアイドルに人気が出ると気持ちが冷めてしまうというのはよく聞く話であり、事実私もその一人だ。人気が出ると曲調や歌詞の感じが大衆向けに変わったり、一部から反感を買いそうな思い切ったパフォーマンスがなくなってしまうこともよくある。それにより好きと感じなくなるのもあるが、何より自分は抜け出せていないわだかまりや報われない気持ちを抱えているままであるため、先に認められたアイドルに置いていかれてしまったような空虚感さえ持つ。
もちろんそこまで頑張ってきたアイドルには敬意を持つのだが、シンパシーは感じられなくなるのだ。私はいつもそこでファンを辞めてしまう。そして、テレビに映るかつて応援していたアイドルを見ては「ああ、売れたな。凄いな」などとどこか一線を引いて見ている。
「売れてから応援できないのは本物のファンじゃない」などと言われることもあるが、仕方がない。アンチ活動などは絶対にしないので許してほしいところだ(誰かに許してもらう必要もないが)。
最近はアイドルを追いかけていないのだが、私の応援したい人のスタンスは変わってい
ない。今頑張っていて、まだ大きく認められていなくて、もがいている人。北三陸はそう
いう人の宝庫である。仕事柄、さまざまな人の挑戦を見てきた。
B-1グランプリin明石に出展する久慈まめぶ 部屋も応援したくなる要素が詰まっている団体の一つである。
朝ドラ「あまちゃん」よろしく、派手さの無いまめぶ汁を片手に久慈市を全国に広めようと頑張っているのだ。お肉や揚げ物、ご当地焼きそばがひしめく会場で、くるみと黒糖入りの小麦団子(まめぶ )が入った野菜たっぷりの汁物を提供する。目立たないが個性はある。さらには一途に郷土料理で勝負する心意気も良い。
しかし今、兵庫県明石市までのスタッフの旅費や材料運搬費などが足りない危機に面している。そこでクラウドファンディングを行ない寄付を集めることにした。このクラウドファンディングは私が担当している。これがなかなか厳しい状況だ。是非とも「久慈まめぶ 部屋 CAMPFIRE」を検索してみてほしい。
私はアイドルでは無いが、共感してくれる方がいたらいいなと思う。私も今、もがいて頑張っているから。
(ふじおり・ジュン=北三陸観光大使、久慈市在住)
(著作権使用許可申請許諾取得済み 転用禁止)
登録:
投稿 (Atom)