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2020年4月13日月曜日

『この街と』 (デーリー東北新聞 2019年9月25日掲載)

『この街と』
(デーリー東北新聞 2019年9月25日掲載)



前回、B-1グランプリに出展するため、地域おこし団体の久慈まめぶ部屋がクラウドファンディングをしていることを書かせていただいた。おかげさまで目標金額を達成し、募集終了となった。ご協力いただいた方には本当に感謝している。

今年のB-1グランプリは11月に兵庫県明石市で開催される。先日、愛Bリーグフォーラムin明石に参加し、明石市長の泉房穂氏の公演を聞いてきた。明石市は神戸市や姫路市といった有名な市に囲まれており、昔は少々影に隠れた存在だったそうだ。

それが2013年から6年連続人口増加、市の税収入も増え続けている。市民アンケートでは「明石市が好き」と答えた人の割合が9割を超えたという。確かにフォーラムの前後日、明石の駅前や飲食店は家族連れやカップルなどでにぎわっていた。

明石市を訪れたのは休日だったので、もちろん観光客もいたかとは思うが、名物「玉子焼(明石焼き)」を提供するお店では関西弁が飛び交っていたので、地元の人も多かったのだろう。市民の豊かさを感じた。

 明石市が元気な理由として、Bー1グランプリのおかげでもあると明石市長は言う。子供からお年寄り、障害のある人もない人も一緒にイベントボランティアを行える仕組みを作るなど、あかし玉子焼で町おこし・まちづくりを市民一丸となって取り組んできた結果、2016年12月に行われたB-1グランプリスペシャルin東京・臨海副都心で明石市はゴールドグランプリ(投票1位)に選ばれた。

明石市長自らタコの帽子と明石玉子焼の大きな模型を背負い、ブース前でマイクパフォーマンスを披露する姿が反響を呼んだ。

B-1グランプリは時にB級グルメのイベントと誤解されがちだが、B-1のBはブランドという意味を持ち、「ご当地グルメでまちおこしの祭典!」をうたっている。地元で愛される料理を提供し、まちのPRを行うことが目的だ。お客さんはもちろんグルメを楽しみに来るが、各出展団体のブースやステージパフォーマンスを見てさまざまな地域の魅力に触れることとなる。

さて、フォーラム後、B-1グランプリに出展する愛Bリーグ団体との懇親会は大いに盛り上がった。各地のお酒をいただきながら、それぞれの地域の話やご当地グルメの話、地域おこしの悩みなど話題は尽きない。自分の地域を愛する人たちだが、決して他の地域を否定することなく、比べて優位に立とうとすることもない。お互いに励まし合って切磋琢磨しているのだ。

郷土愛を持つ方たちと、こうした交流ができることを私は素敵だなと感じる。自分の住んでいる地域に自信を持つことは、他の地域を敵だと思うことではないのだ。TVのニュースを見ていると、この空気が世界中に広まればいいなと思う昨今である。国もまちも同じだろうと思うのだ。

11月のB-1グランプリin明石では、明石市のまちづくりを学びつつ、久慈市のPRを頑張り、そして地域を愛することの楽しさを少しでもお客さんに伝えられたらいいなと思う。

(ふじおり・ジュン=北三陸観光大使、久慈市在住)

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