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2020年4月14日火曜日

『遊ぶところ』 (デーリー東北新聞 2019年10月30日掲載)

『遊ぶところ』
(デーリー東北新聞 2019年10月30日掲載)



「地方は遊ぶところがない」と言う人がいる。

仕事で中高生と話す機会があるとき、度々この言葉を聞く。東京に住んでいた私の、中高生の頃の遊びといえばカラオケか映画館だった。平均的なお小遣いしかなかったので、もちろん映画館には頻繁に行けるわけではない。
ファミリーレストランのドリンクバーでしゃべるだけというのも、遊びだったかも知れない。

久慈市にはカラオケはあるし、映画館は少し遠いかも知れないが、バスや電車を使えば学生でも行ける。ファミリーレストランや喫茶店もある。それを考えると、私の遊びは特に久慈市でできないことではない。

中高生だけでなく、地元の方や出張で都会から来た人、移住者からもこの台詞を聞くことがある。大人になってからは小劇場に通うことが、ある種、私の遊びであった。久慈市には小劇場がない。月に5本ほど芝居を見る生活をしていた私には、この点は非常に残念である。しかし、小劇場に通うことを遊びとしたい人がどれだけ地方にいるかというと、とても少ないと思う(演劇をやっていた身としては悲しいことではあるが)。

20歳を越えれば友人と会うとなると飲み会が多くなる。飲み会も遊びと言うだろうか。居酒屋が遊ぶところと言うのであれば、久慈市にもたくさんある。

つまり『遊ぶところ』というのはあまりに抽象的で、結局は都会の何が欲しいのか分からない。具体的に『遊ぶところ』とは何なのか。小劇場に通っていた私が考えるに、「遊ぶところがない」と言ってしまう人は恐らく無趣味である。地方でも遊びが上手な人はたくさんいる。釣りやBBQ、マラソンやスキーなどを行う人にとっては、都会より都合の良い遊び場もたくさんある。

都会にいた時に好きだったことができない状態だという人は、新しい趣味を作ったら途端に遊べるかも知れない。チェーン店の限定品やSNSで話題のイベントやお店を追い掛けたい人には都会が良いのだろうが、趣味と思えるほどに追い掛け続けなければ、流されるだけで結局は飽きる。

『遊べるところ』という抽象的なイメージはCMやインターネットの情報で刷り込まれたものに他ならないのではないか。そんな風に思えてならない。しかしながら、私も仕事で1、2カ月に1度は東京に行き、流行の物を食べたり買ったりすることが実際好きである。私の母は私よりも断然ミーハーで、東京土産の流行り物を一時間以上並んで買っては私に渡してくる。母にとっては、それが趣味なのかも知れない。私は母と違い、人混みや並ぶことが苦手なのでそこまではしない。要は「たまに行くから良い」と思っている。

さて、最近の私の遊びといえば、10月になって畑で育てた食用ほおずきがたくさん実ったので、家でじっくり煮てジャムを作ったことである。ジャムはうまく固まらずに失敗したのだが、栽培から調理までとても楽しい私の遊びであった。

私も今やこれといった趣味がない人間である。地域の面白さやできることを探してもっと遊べる大人になりたいものだ。


(ふじおり・ジュン=北三陸観光大使、久慈市在住)

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